
今回のコラムは、最新の税務情報や税制改正項目のうち、経営者に重要なトピックについてご紹介します。
目次(各項目に飛べます)
消費税率引き下げ法案が国会に提出
10月9日、飲食料品の消費税率の引き下げを含む法律案が国会に提出され、10月20日から衆議院で審議が開始しました。
11月上旬の衆議院通過を目指していますが、野党からは具体的な財源や制度設計が不明確だと問題視する声もあります。
また、衆議院を通過しても、少数与党の参議院で可決できるかは不透明です。
野党からは対案も出ており、協議の結果、法律案が部分的に修正される可能性もあります。
11月も国会での与野党間の議論が、大きな注目を集めることになりそうです。
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内閣官房「社会保障国民会議」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokuminkaigi/index.html
政府税調が「事業承継税制」について議論
10月9日、政府の税制調査会は、「第8回 税制のEBPMに関する専門家会合」の資料を公表しました。
令和9年度税制改正の目玉の1つである「事業承継税制(特に特例措置)」について、現行制度の効果等の説明と議論が行われました。
このうち、財務省が提出した資料では、「不動産賃貸業」で従業員数が少ない一方、猶予税額が大きくなっている点が指摘されています。
今後、新しい事業承継税制を作る際にも、不動産賃貸業などを念頭に置いた要件の見直しが行われる可能性が高そうです。
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政府税制調査会「第8回 税制のEBPMに関する専門家会合」
https://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/ebpm/2026/8ebpm8kai.html
租税回避スキームを販売する税理士・銀行などを問題視
10月20日、政府の税制調査会は「第5回 経済社会のデジタル化への対応と納税環境整備に関する専門家会合」の資料を公表しました。
財務省と国税庁が共同で提出した説明資料「租税回避等への対応」では、「租税回避スキームのプロモーター」について具体例をあげて問題視しています。
例えばA税理士法人が「グループ法人税制」を用いて「経済実態を伴わない多額の税務上の損失」を作り出すスキームを数十人に販売していました。
最近、有名音楽家がこのスキームを利用したことで国税局から多額の申告漏れを指摘され、話題になったことが思い出されます。
また、E金融機関が、組織再編成などで相続税評価額を圧縮するスキームを提案し、報酬を得ていたことも問題視され、国税庁は金融庁と対応策を協議中です。
近年、租税回避スキームを封じる改正が続いていますが、国税側が課税の処分を行っても、税理士や銀行などのプロモーターがまた新たなスキームを販売するいたちごっこです。
今後の対応策を注視するとともに、「税理士や銀行がすすめるから安心」ではなく、経営者自身がスキームの実態を見極め、安易な節税商品に乗らない姿勢が、これまで以上に求められることになりそうです。
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政府税制調査会「第5回 経済社会のデジタル化への対応と納税環境整備に関する専門家会合」
https://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/digital-noukan/2026/8digital-noukan5kai.html
まとめ
非上場株式評価の見直しは、国税庁の案が8月に公表されてから、日本商工会議所をはじめとした関係団体や中小企業庁などから懸念が示されてきました。
この経済界の危機感を受ける形で、政治の動きも一気に加速しています。
10月7日には、高市首相が衆議院本会議で「ゼロベースで検討を進める」と答弁し、さらに10月29日、自民党の日本成長戦略本部では、「国税庁案は容認できない」とする緊急決議がとりまとめられました。
「白地(=白紙)から議論を行うこと」を強く求め、国税庁案が白紙に戻る可能性も出てきました。
11月から12月中旬の与党の税制調査会で非上場株式評価の見直しがどのように着地するのか、中小企業の事業承継への影響を含め、最重要テーマとして注目したいところです。
今後も最新の税制改正に関する情報をお届けします。
この記事の執筆者

公認会計士・税理士
大学4年次に公認会計士試験合格後、大手監査法人と税理士法人を経て、河鍋公認会計士・税理士事務所を開業。
資産税(相続税・贈与税・譲渡所得)の実務経験もあることから、会計顧問から資産税までご相談いただけます。
専門分野は会計、税務顧問・IPO支援&相続・事業承継です。