2025.03.06

【確定申告】事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けの相違点

今回のコラムは「事業としての不動産貸付けとそれ以外の不動産貸付けの相違点」についてです。

土地や建物などの不動産などの貸付けによる所得は、不動産所得になりますが、その不動産貸付けが事業として行われているかどうかによって、所得金額の計算上の取扱いが異なる場合がありますので、ご注意ください。

「事業として行う」の判断基準とは

不動産の貸付けが事業として行われているかどうかについては、原則として社会通念上事業と称するに至る程度の規模で行われているかどうかによって、実質的に判断するとされております。

ただし、建物の貸付けについては、貸間、アパート等については、貸与することのできる独立した室数がおおむね10室以上、独立家屋の貸付けについては、おおむね5棟以上のいずれかの基準に該当すると、原則として事業として取り扱われます。

例えば、明確な基準はありませんが、駐車場の貸付けの場合、5台で1室と計算されますので、

「戸建て(一棟物件)×1棟=アパート(マンション)×2室=駐車場×10台分」

が同じ関係になります。

所得金額の計算上の相違点

また、不動産の貸付けが事業として行われている場合とそれ以外の場合の所得金額の計算上の相違点のうち、主なものとして、次のものがあります。

  •  賃貸用固定資産の取壊し、除却などの資産損失については、不動産の貸付けが事業として行われている場合は、その全額を必要経費に算入しますが、それ以外の場合は、その年分の資産損失を差し引く前の不動産所得の金額を限度として必要経費に算入
  •  青色申告の事業専従者給与または白色申告の事業専従者控除については、不動産貸付けが事業として行われている場合は適用がありますが、それ以外の場合には適用なし
  •  青色申告特別控除については、不動産貸付けが事業として行われている場合、正規の簿記の原則による記帳を行うなどの一定の要件を満たすことにより、55万円の控除を受けることが可能

なお、上記③の55万円の青色申告特別控除を受けることができる人が電子帳簿保存またはe-Taxによる電子申告を行っている場合には、65万円の青色申告特別控除が受けることが可能ですが、それ以外の場合の控除額は最高10万円となりますので、該当されます方はあわせてご確認ください。

河鍋 優寛

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福岡県春日市・那珂川市の税理士・公認会計士 河鍋 優寛でした。

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