2025.11.26

【感染症やサイバー攻撃】11月10日最新版の事業継続力強化計画の策定について解説

今回のコラムは「11月10日最新版の事業継続力強化計画の策定」についてです。

近年、企業を取り巻くリスクは多様化し、従来の自然災害対策だけでは事業の継続が困難になるケースが増加しております。

特に、新型コロナウイルス感染症の拡大や巧妙化するサイバー攻撃は中小企業の経営に甚大な影響をおよぼしかねません。

このような背景から事業継続力強化計画の策定指針が改訂され、これらの新たなリスクへの対応が求められるようになりました。

事業継続力強化計画とは

中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が認定する制度です。

認定を受けた中小企業は、税制優遇や金融支援、補助金の加点などの支援策が受けられます。

計画策定にあたっての変更点

感染症やサイバー攻撃への対策が必要に

事業継続力強化計画は、地震や台風といった自然災害発生時に中核となる事業を早期に再開・継続するための備えを目的として国が推奨してきたものでした。

しかし、パンデミックやデジタル化の進展に伴う脅威の増加により現在では、自然災害への対応に加え感染症やサイバー攻撃等の自然災害以外のリスクも顕在化しており、これらの対策を講じることも不可欠となっています。

既に自然災害に対する事業継続力強化計画を策定している事業者の皆様におかれましては、最新の動向を踏まえ既存の計画を見直す必要があります。

▼詳細は以下のリンクをご確認ください。
(中小企業庁)
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/keizokuryoku.html

感染症やサイバー攻撃への対策の具体例

① 感染症対策
● 想定リスク

感染症発生時には従業員の出勤制限や市民の外出自粛に伴う売上減少というリスクが想定されます。

● 事前対策

感染防止のためにマスク、消毒液、防護服等の衛生用品を一定期間分備蓄することはもちろん、感染拡大時にも業務を継続できるよう在宅勤務(テレワーク)を実施するための環境整備が重要となります。

● 事後対策

感染拡大の状況に応じて従業員間の接触を避けるための時差出勤や交代勤務を導入し、事業所内でのクラスター発生を未然に防ぐことが求められます。

② サイバー攻撃への対策
● 想定リスク

サイバー攻撃は機密情報の窃取だけでなく、システムの停止やデータの破壊といった事業の根幹を揺るがす重大なリスクをもたらします。

想定されるリスクには、システムの停止、顧客データの漏洩、システム復旧にかかる高額な費用、そして営業損失などが含まれます。

● 事前対策

不正なアクセスやシステムの異常を早期に検知するための異常監視サービスの導入は有効な手段です。

また、基本的な対策として、最新のウイルス対策ソフトを全ての端末に導入し、常に最新の状態に保つことが非常に重要となります。

従業員へのセキュリティ教育も欠かせません。

● 事後対策

万が一システム障害やデータ漏洩が発生した場合に備え、被害状況を正確かつ迅速に把握し関係者や顧客に対して適切な時期に事実を報告する体制を構築しておく必要があります。

また、事業復旧のための手順書を作成しておくことも事態の収束を早める上で肝心です。

まとめ

最新版の事業継続力強化計画は、従来の自然災害に加え感染症やサイバー攻撃といった現代特有のリスクに包括的に対応することを目的としています。

これらの新たなリスク対策を計画に盛り込むことで企業は予期せぬ事態にも柔軟に対応し、事業の早期復旧と継続性を確保できるようになるでしょう。

河鍋 優寛

弊事務所では1人1人のお客様に真摯に寄り添い、満足度の高い相続税申告やコンサルティングを実施しております。
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福岡県春日市・那珂川市の税理士・公認会計士 河鍋 優寛でした。

この記事の執筆者

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