今回のコラムは「中小企業の事業承継問題」についてです。
近年、日本の中小企業経営者の高齢化が進み、事業承継が喫緊の課題となっています。
後継者不足による廃業増加は経済の縮小や雇用喪失に繋がりかねません。
しかし、事業承継は適切な準備と支援を活用することで企業の成長と発展のチャンスになり得ます。
2025年度は事業承継を支援する施策が大幅に拡充される予定であり、中小企業経営者にとってはその内容を把握しておくことが重要です。
目次(各項目に飛べます)
中小企業の事業承継問題とは
事業承継の現状
中小企業の経営者の高齢化が進んでおり、経営者年齢のピークはこの20年間で50代から60~70代へと大きく上昇しています。
また、後継者の不在状況は深刻であり近年増加する中小企業の廃業の大きな要因の1つです。
このままでは、日本経済や社会を支える貴重な雇用や技術が失われる可能性があります。
一方で、事業承継による世代交代やM&Aによる規模拡大は企業の成長に効果的です。
このように中小企業の活力維持や発展のために事業承継は不可欠といえるでしょう。(中小企業庁HPより引用)
事業承継の種類
事業承継には大きく分けて以下の3つの種類があります。
① 親族内承継
子供や親族に事業を引き継ぐ方法です。
血縁関係があるため経営理念や企業文化を承継しやすいというメリットがあります。
② 従業員承継
長年会社に貢献してきた従業員に事業を引き継ぐ方法です。
事業への理解が深くスムーズな承継が期待できます。
③ M&A(社外への引継ぎ)
他の企業に事業を売却する方法です。
後継者不足の解消だけでなく経営資源の強化や新たな市場への進出といったメリットも期待できます。
▼詳細は以下リンクをご確認ください。
(中小企業庁)
https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/know_business_succession.html
2025年度に予定されている事業承継支援
政府は中小企業の事業承継を促進するため、様々な支援策を展開しています。
2025年度にはこれらの支援策がさらに拡充される予定です。
① 相談や伴走支援
事業承継・引継ぎ支援センターなどでは専門家による相談や事業承継計画の作成支援など様々なサポートを受けることができます。
② 補助金
事業承継・引継ぎ補助金などで事業承継に伴う費用補助を拡充予定です。
③ 税制
法人版事業承継税制(特例措置)は後継者が先代経営者から株式を相続または贈与される際に相続税や贈与税の納税を猶予する制度で、2025年度も引き続き利用可能です。
④ 金融支援
事業承継のための資金調達を支援するため、日本政策金融公庫などによる融資制度も拡充予定です。
⑤ 経営者保証解除に向けた対策
後継者にとって事業承継に伴う経営者保証の負担は大きな課題です。
政府は金融機関と連携し、事業承継時の経営者保証解除を促進するための対策を強化する予定です。
まとめ
事業承継は企業の存続と発展のために避けては通れない課題です。
政府は事業承継を支援するための様々な施策を展開しており、2025年度にはこれらの施策がさらに拡充される予定です。
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福岡県春日市・那珂川市の税理士・公認会計士 河鍋 優寛でした。
公認会計士・税理士
大学4年次に公認会計士試験合格後、大手監査法人と税理士法人を経て、河鍋公認会計士・税理士事務所を開業。
資産税(相続税・贈与税・譲渡所得)の実務経験もあることから、会計顧問から資産税までご相談いただけます。
専門分野は会計、税務顧問・IPO支援&相続・事業承継です。