
今回のコラムは「日本公庫の危機対応後経営安定貸付」についてです。
近年の自然災害や感染症といった予期せぬ事態が多くの中小企業に深刻な影響を与えています。
そうした中で、事業の継続と再建に向けた資金ニーズは高まるばかりです。
こうした状況を踏まえ、国の政策により日本政策金融公庫による既往債務の負担軽減と中長期的な事業の発展を支援するための新たな融資制度「危機対応後経営安定貸付」が2025年よりスタートしました。
この注目の融資制度の概要と利用対象者について解説します。
目次(各項目に飛べます)
危機対応後経営安定貸付とは
大規模な災害や感染症などの影響を受け既存の債務の返済に困難を感じている中小企業に対し、その経営の安定化を支援することを目的とした融資制度です。
1)資金の使いみち
本融資制度で調達した資金は主に既存の債務の返済負担を軽減するための長期運転資金として活用できます。
2)融資限度額
・直接貸付20億円
・代理貸付2億2,500万円
3)返済期間
返済期間についても運転資金として最長20年以内
うち据置期間2年以内という長期の設定がされています。
4)担保・保証人等
担保設定の有無や種類については個々の企業の状況に応じて日本政策金融公庫との相談のうえで決定されます。
柔軟な対応が期待できる一方で、直接貸付においては一定の要件に該当する場合には経営責任者の個人保証が必要となる点には留意が必要です。
▼詳細は以下のリンクをご確認ください。
(日本政策金融公庫)
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/keieiantei_t.html
ご利用いただける方
過去の大規模な災害や感染症等の影響を受け、次のすべての要件を満たす方
1)次のいずれかの貸付制度に係る貸付残高を有すること
・新型コロナウイルス感染症特別貸付
・新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付
・危機対応後経営安定貸付
2)債務負担が重くなっていること
3)中長期的にみて業況が回復し発展することが見込まれること
日本政策金融公庫の危機対応後経営安定貸付は、過去の危機によって債務負担が重くなった中小企業にとってまさに再起への羅針盤となる可能性を秘めています。
最大20億円という融資限度額
最長20年の返済期間そして据置期間の設定など、その条件は事業の立て直しを図るうえで大きな支えとなるでしょう。

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福岡県春日市・那珂川市の税理士・公認会計士 河鍋 優寛でした。
この記事の執筆者

公認会計士・税理士
大学4年次に公認会計士試験合格後、大手監査法人と税理士法人を経て、河鍋公認会計士・税理士事務所を開業。
資産税(相続税・贈与税・譲渡所得)の実務経験もあることから、会計顧問から資産税までご相談いただけます。
専門分野は会計、税務顧問・IPO支援&相続・事業承継です。