
今回のコラムは「ものづくり補助金」についてです。
待望の「ものづくり補助金」第23次公募要領が公開されました。
本補助金は、革新的なサービス開発や試作開発、生産プロセスの改善を目指す企業にとって、最大級の支援を受けられる貴重なチャンスといえるでしょう。
ただし採択を勝ち取るためには、まず「どの経費が補助の対象になるのか」を正確に理解することが不可欠です。
そこで今回は、投資計画の核となる補助対象経費の具体例と知っておくべき制限事項について解説します。
目次(各項目に飛べます)
23次ものづくり補助金の補助対象経費
本補助金では、事業達成のために必要と認められる経費が厳密に定められていますので、具体的な活用シーンを交えながら説明します。
① 機械装置・システム構築費
この項目は、ものづくり補助金のいわば「本丸」といえる経費です。
生産ラインを自動化するための産業用ロボットや、高精度な加工を実現する工作機械の導入がこれに該当します。
また、業務効率化のための専ら自社で使用するソフトウェアや情報システムの構築費用も対象です。
本補助金を利用する場合、単価が「税抜き50万円以上」の設備投資を行うことが必須条件となっています。
少額の備品を積み上げても対象外となるため、注意が必要です。
② 運搬費
前述の機械装置を導入する際にかかる運搬料や据付費がこの項目に含まれます。
具体的には、配送業者への支払いや、重量物の搬入に関わる作業費用などが挙げられるでしょう。
ただし、あくまで「補助対象の機械」を運ぶための経費に限られる点にご留意ください。
③ 技術導入費
自社の技術力だけでは解決できない課題がある際、他社から知的財産権(特許権等)を譲り受けたりライセンスを受けたりする費用が対象となります。
高度なノウハウを外部から取り入れることで開発スピードを飛躍的に高めることが可能です。
この経費の上限額は、補助対象経費総額の「3分の1(税抜き)」までと定められています。
④ 知的財産権等関連経費
新しく開発した製品や技術について、特許権や実用新案権や意匠権、商標権を取得するために必要な費用です。
弁理士への代行手数料や、外国出願のための費用も含まれます。
自社の独自性を守り、競争優位性を確立するために有効な経費といえます。
技術導入費と同様に、上限額は補助対象経費総額の「3分の1(税抜き)」となります。
⑤ 外注費
事業遂行に不可欠な一部の作業を、外部の専門業者に委託する際の費用です。
例えば、試作品の加工の一部や、自社では対応できない特殊な検査などがこれに当たります。
ただし、事業の核心部分を丸ごと外注することは認められないため自社が主体となる計画を立てましょう。
上限額は、補助対象経費総額の「2分の1(税抜き)」に設定されています。
⑥ 専門家経費
大学教授や中小企業診断士、技術士といった専門家から事業達成に向けた指導や助言を受けるための謝金や旅費です。
最新技術の知見を得ることで、プロジェクトの成功確率を高める効果が期待できます。
上限額は、補助対象経費総額の「2分の1(税抜き)」となっています。
⑦ クラウドサービス利用費
SaaS型の生産管理システムや、データ分析のためのクラウドサーバー利用料などが対象です。
近年のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に伴い多くの企業が活用している項目といえるでしょう。
補助対象期間中に支払われる利用料が対象となりますが、初期設定費用なども含まれる場合があります。
⑧ 原材料費
試作開発や新サービスの検証に直接必要な、原材料や副資材の購入費です。
あくまで「試作用」としての位置づけであり、量産品として販売する製品の材料費は対象外となる点に注意してください。
使い切ることが前提の消耗品的な性質を持つものが対象となります。
⑨ 海外旅費 ※グローバル枠(海外市場開拓)のみ
海外展開を目指す事業において、市場調査や商談のために必要な役職員の旅費です。
宿泊費や航空運賃が含まれますが、対象は輸出を目的とした事業計画に限られます。
上限額は、補助対象経費総額の「5分の1(税抜き)」までです。
⑩ 通訳・翻訳費 ※グローバル枠(海外市場開拓)のみ
海外市場開拓にあたり、契約書の翻訳や現地での通訳が必要な場合に活用できる経費です。
海外企業とのコミュニケーションを円滑にするために欠かせない費用といえます。
上限額は、補助対象経費総額の「5分の1(税抜き)」となります。
⑪ 広告宣伝・販売促進費 ※グローバル枠(海外市場開拓)のみ
海外向けの展示会への出展費用、プロモーション動画の作成広告掲載料などが対象です。
日本が誇る技術力を世界に発信するための強力なバックアップとなります。
上限額は、補助対象経費総額の「2分の1(税抜き)」となっています。
▼詳細は以下のリンクをご確認ください。
(ものづくり補助金)
https://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html
まとめ
対象となる経費を正しく分類し、上限額などのルールを遵守することは採択後の交付決定をスムーズに進めるための第一歩となります。
自社の強みを活かした革新的な事業計画にこれらの経費をどのように組み込むべきか、この機会に改めて精査してみてはいかがでしょうか。

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福岡県春日市・那珂川市の税理士・公認会計士 河鍋 優寛でした。
この記事の執筆者

公認会計士・税理士
大学4年次に公認会計士試験合格後、大手監査法人と税理士法人を経て、河鍋公認会計士・税理士事務所を開業。
資産税(相続税・贈与税・譲渡所得)の実務経験もあることから、会計顧問から資産税までご相談いただけます。
専門分野は会計、税務顧問・IPO支援&相続・事業承継です。