2025.03.24

【懲戒事例】税理士22人と税理士法人2社に懲戒処分

今回のコラムは「税理士と税理士法人に対する懲戒処分」についてです。

2024事務年度前半分の「税理士懲戒処分公告」(処分権者=加藤勝信財務大臣)が官報に掲載されました。

懲戒の件数

今回は税理士22人と税理士法人2社が処分されています。

合計24件の処分件数は、2020~20222事務年度の各年の通年での件数を、約半年で早くも上回っている状況です。

懲戒処分の件数は2019事務年度には43件でしたが、2020年度からの3年間は22件、21件、13件と大幅に減少し、2023年度に38件まで戻っていました。

今回は前回の公告から約7カ月間で、2020年度からの3年間の各年を超える24件が処分対象となっています。

処分の内容は、懲戒で最も重い「禁止」が5件、「停止」が18件、「戒告」が1件でした。

税理士法人の処分内容

国税庁のホームページに記載された処分の理由によると、

まず税理士法人2社については、「A(社員税理士)の業務の遂行状況について確認する体制が構築されておらず、業務運営の適正を確保するための内部管理体制が整備されていないことから、運営が著しく不当と認められた」というもの。

この社員税理士もそれぞれ個人として別途処分を受けており、それらを含めた税理士22人の主な処分理由の内訳をみていくと、法人の税務申告での不正が11件で最多です。

税理士個人の処分内容

大阪の税理士は、関与先と別人格の法人で発生した損失を関与先の申告の際に計上することで、不正に所得金額を圧縮した申告書を作成していました。

また、千葉の税理士は、関与先が10年以上前に工事が完成していたにもかかわらず売上原価として計上せずに、未完成工事支出金として粉飾決算をしていた金額について、当期の売上原価として損金の額に算入することで、所得金額を圧縮していました。

いずれも税理士業務の禁止処分となっています。

河鍋 優寛

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福岡県春日市・那珂川市の税理士・公認会計士 河鍋 優寛でした。

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