
今回のコラムは「医療費控除」についてです。
関東信越税理士会はこのほど、2026年度の「税制及び税務行政に関する意見書」をとりまとめました。
所得税法関係では「医療費控除を廃止すること」、相続税法関係では「贈与財産の加算制度の適用を受けたものについても、配偶者の税額軽減の適用を認めること」「相続開始前の贈与加算について各年基礎控除範囲内の贈与分を除くこと」、納税環境整備関係では「申告書のほか、更正の請求書についても書面添付できるようにすること」などを新規の意見として要望しています。
同会では、医療費控除の廃止を求める理由として
「医療費については、健康保険制度内で手当てされるべきである。
高額医療費制度が存在することから医療費控除が発生するケースにおいては健康保険制度の対象とならない自由診療によることが多々見られる。
医療費の支出に伴う担税力の減少を反映するという医療費控除の本来の目的からいえば、高額な自由診療を受けることを自ら選択した者ではなく、自由診療を受けることができない低中所得者が対象となるべきではないだろうか。
また、所得控除の性質として所得税率の高いものほど恩恵を受けることができることや、そもそも所得税が発生しない低所得者にとっては恩恵を全く受けることができないことから、本当に医療費が重荷となっている納税者の助けになっているのか疑問である。
医療費控除を廃止すれば医療費控除を受けるために多数の納税者が来場する申告会場の運営コストの削減にも繋がり、その分で健康保険制度を充実させるほうが公平かつ効率的に国民の健康に寄与できるのではないだろうか」とする意見をまとめています。

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福岡県春日市・那珂川市の税理士・公認会計士 河鍋 優寛でした。
この記事の執筆者

公認会計士・税理士
大学4年次に公認会計士試験合格後、大手監査法人と税理士法人を経て、河鍋公認会計士・税理士事務所を開業。
資産税(相続税・贈与税・譲渡所得)の実務経験もあることから、会計顧問から資産税までご相談いただけます。
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