
今回のコラムは、最新の税務情報や税制改正項目のうち、経営者に重要なトピックについてご紹介します。
目次(各項目に飛べます)
中小企業の親族内承継の「中間とりまとめ(案)」が公表
8月13日、中小企業庁の「中小企業の親族内承継に関する検討会」は「中間とりまとめ(案)」を公表しました。
検討会では中小企業の親族内承継について現状と課題を整理し、
- 事業承継税制のあり方
- 今後の後継者育成
の検討の方向性を示しています。
特に事業承継税制は、「特例措置」の期限が迫っていることから、より使いやすい税制になるよう
- 猶予される株式の割合を引き上げてはどうか
- 10年間事業継続すれば免除など工夫できないか
- 賃上げを踏まえた要件も検討してはどうか
- 海外子会社の株式も対象としてはどうか
などが示されています。
9月以降、これらに基づき、さらに議論が進められる予定です。
令和8年度税制改正でどの程度反映されるのか、今後の議論にも注目したいところです。
▼詳しくはこちらから
中小企業庁「第3回中小企業の親族内承継に関する検討会」
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/shinzoku/003.html
大学生は税金だけでなく「社会保険の扶養」も変わります!
8月19日、日本年金機構は「19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります」を公表しました。
令和7年度税制改正で大学生に対する「税金の扶養」が見直されました。
これに合わせて、社会保険でも19歳以上23歳未満の被扶養者認定で
現 行:年間収入130万円未満 → 変更後:年間収入150万円未満
に引き上げられます。
税金も社会保険も扶養の範囲が変わるため、従業員の中に大学生を扶養している方がいる場合はご注意ください。
▼詳しくはこちらから
日本年金機構「19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります」
https://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2025/202508/0819.html
国交省が「住宅ローン減税」などについて要望
8月26日、国土交通省は「令和8年度税制改正要望事項」を公表しました。
個人向けでは、今年末に期限を迎える「住宅ローン減税」など住宅税制について、住宅価格の高騰等を踏まえて検討するよう要望が行われています。
また、法人向けでは「特定資産の買換え特例」の3年延長が要望されています。
▼詳しくはこちらから
国土交通省「令和8年度税制改正要望事項」
https://www.mlit.go.jp/page/kanbo01_hy_010408.html
まとめ
令和8年度税制改正要望の各省庁の要望が例年どおり8月末までにそろいました。(国土交通省以外は、次回ご紹介します。)
例年では、秋に税制改正の議論が本格化し、12月中旬の税制改正大綱の公表となります。
しかし、少数与党のため、昨年の「103万円の壁」対策のように野党側からも積極的に税制改正の案が出ると予想されます。
スケジュールも12月中に決まるのかは不透明なところです。
政治の動向を見つつ、今後も税制改正の最新情報をお届けします。

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福岡県春日市・那珂川市の税理士・公認会計士 河鍋 優寛でした。
この記事の執筆者

公認会計士・税理士
大学4年次に公認会計士試験合格後、大手監査法人と税理士法人を経て、河鍋公認会計士・税理士事務所を開業。
資産税(相続税・贈与税・譲渡所得)の実務経験もあることから、会計顧問から資産税までご相談いただけます。
専門分野は会計、税務顧問・IPO支援&相続・事業承継です。