
今回のコラムは、最新の税務情報や税制改正項目のうち、経営者に重要なトピックについてご紹介します。
目次(各項目に飛べます)
経産省が令和8年度税制改正要望を公表!
8月29日、経済産業省は「令和8年度税制改正要望」を公表しました。
【主な要望項目】
≪法人税≫
・研究開発税制の拡充・延長
・中小企業の研究開発投資拡大特例の創設
・30万円未満の少額減価償却資産特例の延長
・大胆な投資促進税制の創設
≪資産税≫
・事業承継税制の特例承継計画の期限延長
≪所得税≫
・食事支給に係る所得税非課税制度の見直し
今回、経産省の目玉は「研究開発税制の拡充・延長」です。
赤字企業でも翌年以降で黒字化したときに減税できる「税額控除の繰越制度の導入」などが要望されています。
▼詳しくはこちらから
経済産業省
「令和8年度税制改正に関する経済産業省要望」
https://www.meti.go.jp/main/zeisei/zeisei_fy2026/zeisei_r/index.html
中小企業の研究開発投資拡大特例の要望内容は?
トピック1の経産省要望のうち「中小企業の研究開発投資拡大特例の創設」は、具体的には「固定資産税の特例(2年間の措置)」を要望したものとなっています。
≪要望内容≫
研究開発に係る機械装置等の設備投資を行った「中小企業」が対象で、次の減税措置です。
① 試作品開発用資産を取得
5年間、固定資産税を全額免除
② 量産技術開発用資産または新製品開発用資産を取得
3年間、固定資産税を全額免除
要望が実現するかどうかは今後の議論次第ですが、赤字企業や利益が少ない企業でも使えるため、期待したいところです。
▼詳しくはこちらから
【PDF】総務省(経済産業省要望)
「中小企業による研究開発投資拡大に向けた特例措置の創設」
https://www.soumu.go.jp/main_content/001028158.pdf
6年度の企業版ふるさと納税はさらに増加!
9月19日、内閣府は、「企業版ふるさと納税の令和6年度寄附実績」を公表しました。
≪概要≫
・金額:約631.4億円(約1.3倍)
・件数:18,457 件(約1.3倍)
・企業数:8,464(約1.1倍)
※カッコ内は「前年度比」
企業版ふるさと納税も個人版と同じく件数を拡大しているのがわかります。
なお、個人版のふるさと納税は9月末でポイント付与が終了し、年末並みの「駆け込み」が話題になりました。
10月以降は仲介サイトを通じてふるさと納税をしても、仲介サイトのポイントは還元されない点に注意が必要です。
▼詳しくはこちらから
【PDF】内閣府
「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の令和6年度寄附実績について(概要)」
https://www.chisou.go.jp/tiiki/tiikisaisei/pdf/R06_keinen_zisseki.pdf
まとめ
石破総理大臣の後任を選ぶ自民党総裁選挙が10月4日に迫っています。
前回の総裁選(2024年9月27日)では、総裁決定後、そのまま秋の税制改正の議論に入り、年内で税制改正大綱は公表したものの、年明けまで「103万の壁」の議論が続けられました。
今のところ、税に関する話題としては
・「給付付き税額控除」の制度設計
・ガソリンの暫定税率廃止の協議
が与野党間で出ており、動向が注目されます。
今後も最新の税制改正に関する情報をお届けします。

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福岡県春日市・那珂川市の税理士・公認会計士 河鍋 優寛でした。
この記事の執筆者

公認会計士・税理士
大学4年次に公認会計士試験合格後、大手監査法人と税理士法人を経て、河鍋公認会計士・税理士事務所を開業。
資産税(相続税・贈与税・譲渡所得)の実務経験もあることから、会計顧問から資産税までご相談いただけます。
専門分野は会計、税務顧問・IPO支援&相続・事業承継です。