
今回のコラムは、最新の税務情報や税制改正項目のうち、経営者に重要なトピックについてご紹介します。
目次(各項目に飛べます)
自民党総裁に高市早苗氏が就任
10月4日、自由民主党は石破茂総裁の退陣表明に伴う総裁選挙を行い、高市早苗氏が新しい総裁に選出されました。
1955年の結党から70年の節目で、初めて女性の総裁が誕生しました。
就任会見の中で税制に関するものとして「給付付き税額控除」について触れ、早速、制度設計を進めるよう指示しています。
また、自民党の党役員人事では、税制調査会長の宮沢洋一氏が退任し、小野寺五典氏(前・政務調査会長)が新たに就任しました。
高市氏は税制調査会の役員人事を一任した小林鷹之政調会長に対して、「税制調査会のスタイルそのものをガラッと変えて欲しい」と要望しており、今後、どのように変わるのか、注目したいところです。
自民・維新が連立政権樹立に合意
10月20日、自由民主党と日本維新の会は、新たに連立政権を樹立することで合意しました。
これに合わせて「連立政権合意書」を締結し、税制面では次の項目があがっています。
▼年内に実現の方向
・ガソリン税の暫定税率の廃止
・所得税の基礎控除等をインフレの進展に応じて見直す制度設計
▼来年以降に具体化・検討の方向
・給付付き税額控除の導入
・租税特別措置、高額補助金の総点検
・消費税は飲食料品の2年間対象外を視野に検討
一方、参院選前に主に公明党が公約として掲げていた現金給付(原則一人2万円)は、選挙で理解が得られなかった点や公明党の連立離脱に伴い、中止が明記されました。
▼詳しくはこちらから
自由民主党「維新との連立に合意物価高対策を早急に進める意思共有」
https://www.jimin.jp/news/information/211626.html
高市内閣が発足。財務大臣に片山さつき氏が就任
10月21日、臨時国会が召集され、自民党の高市早苗総裁が首相に選出され、高市内閣が発足しました。
女性の首相就任は、憲政史上初となります。
高市首相は、税制改正のスケジュールにも影響する「年内の解散総選挙」について否定的な考えを示し、今は経済対策を最優先で取り組むとしています。
また、閣僚のうち財務大臣には片山さつき氏が就任し、こちらも女性初となります。
片山氏は長年にわたり、旧大蔵省・財務省で多くの重要なポストを歴任してきたこともあり、今回、「連立政権合意書」にも書かれていた「租税特別措置・補助金見直し担当」も兼任しています。
▼詳しくはこちらから
首相官邸「内閣総理大臣の指名」
https://www.kantei.go.jp/jp/104/actions/202510/21shimei.html
まとめ
10月は、自民党総裁選、公明党の連立離脱、日本維新の会との連立政権樹立、高市内閣の発足など、毎日のように政治的な駆け引きが行われていました。
11月に入り、例年どおりなら12月中旬にかけて税制改正の議論が行われます。
ただし、自民党の連立相手が日本維新の会に変わっても与党のみでは過半数に満たない状況は続くため、税制改正や予算案の成立に向けて、引き続き、政治的な駆け引きが続くと思われます。
今後も最新の税制改正に関する情報をお届けします。

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福岡県春日市・那珂川市の税理士・公認会計士 河鍋 優寛でした。
この記事の執筆者

公認会計士・税理士
大学4年次に公認会計士試験合格後、大手監査法人と税理士法人を経て、河鍋公認会計士・税理士事務所を開業。
資産税(相続税・贈与税・譲渡所得)の実務経験もあることから、会計顧問から資産税までご相談いただけます。
専門分野は会計、税務顧問・IPO支援&相続・事業承継です。