
今回のコラムは、最新の税務情報や税制改正項目のうち、経営者に重要なトピックについてご紹介します。
目次(各項目に飛べます)
国が租税特別措置等の適正化に向けた提案を募集
1月5日、内閣官房 行政改革・効率化推進事務局の租税特別措置・補助金見直し担当室は、「租税特別措置・補助金の適正化に向けた提案募集」を開始しました。
租税特別措置や補助金等について、これから必要な見直しを検討するにあたり、2月26日(木)までの間、広く国民から、提案や意見を募集するものとなっています。
租税特別措置については、8月の各省庁の令和9年度税制改正要望や年末の令和9年度税制改正大綱に反映されるものと思われます。
募集結果を踏まえて、どのような税制改正が行われるのか、今後に注目したいところです。
▼詳しくはこちらから
内閣官房「租税特別措置・補助金の適正化に向けた提案募集」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/sozei/teianboshu.html
類似業種比準価額計算上の株価、11・12月分が公表
1月16日、国税庁から「令和7年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正についてが公表されました。
企業が「自社株評価」をするときに重要な類似業種の株価ですが、今回で令和7年11・12月分も公表されました。
令和7年中は、日経平均株価が5万円を超えるなど、株価が上昇傾向にあります。
同じ業種の上場企業の株価が上昇すれば、自社が同じ利益水準であっても自社株評価は上がっていきます。
後継者への事業承継の場面では、相続税や贈与税の対策の重要性がますます増加します。
一方、M&Aの場面では、有利な条件を引き出しやすくなるかもしれません。
事業承継やM&Aの予定がすぐにない場合でも、この機会に下記問い合わせ先に自社株評価を依頼して、現状把握をしてはいかがでしょうか。
▼詳しくはこちらから
国税庁「令和7年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について」の一部改正について(法令解釈通達)」
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hyoka/r08/2601_01/index.htm
衆議院解散選挙で、どうなる税制改正?
1月23日、高市首相は衆議院を解散しました。
2月8日投開票の日程で選挙が行われます。
高市首相は解散前の会見の中で、「令和8年度予算の年度内成立が極めて困難になる影響を最小限にとどめる」と述べています。
年度内成立が危ういのは、予算と表裏一体の関係にある「令和8年度税制改正大綱」も同様です。
ふつうは「3月末まで」に国会で成立・公布され、「4月1日」に施行されます。
自民党の小野寺税制調査会長は、1月15日に「税法は特に国民生活に影響が出る」と、選挙があっても予算案審議とは切り離し、3月末までの成立を野党に呼び掛けるとしています。
しかし、野党が呼び掛けにこたえず、3月末までに成立できない場合は、一部で「適用時期」が変わる可能性があります。
つまり、スタートする時期が4月1日ではなく、それより後になるものも出てくると予想されます。
今回の選挙は、令和8年度税制改正の内容を問うものではないため、内容自体が変わることはないと考えますが、「どの制度がいつからスタートするか?」には、注意が必要になりそうです。
まずは、選挙の動向を見守りましょう。
まとめ
トピック1で触れたように、税制や補助金について、広く一般に募集するのは、今まであまりない試みで評価できるところです。
一方で、「適正化」という言葉を使っている点は注意が必要です。
近年、税制改正で「適正化」とした項目は基本的に「増税」の改正項目です。
それをストレートに表したものは「極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置」でしょう(超富裕層向けのミニマムタックス)。
企業経営者にとっても、M&Aで自社株や不動産を売却する際に税負担が増える可能性がある制度です。
不適切な税制の放置をよしとは考えませんが、一方で、税制の三原則(公平・中立・簡素)のうち「公平」に偏った改正が年々、多くなっているように感ずるところです。
(特に簡素から遠のいています)「適正化(増税)」のためだけでなく、反対に「企業の活力を生むような措置(減税)」も広く一般から提案募集を受け、より良い税制が生まれることを願うばかりです。

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福岡県春日市・那珂川市の税理士・公認会計士 河鍋 優寛でした。
この記事の執筆者

公認会計士・税理士
大学4年次に公認会計士試験合格後、大手監査法人と税理士法人を経て、河鍋公認会計士・税理士事務所を開業。
資産税(相続税・贈与税・譲渡所得)の実務経験もあることから、会計顧問から資産税までご相談いただけます。
専門分野は会計、税務顧問・IPO支援&相続・事業承継です。