
今回のコラムは「準確定申告の更正の請求」についてです。
2025年3月4日、修正案が盛り込まれた令和7年度税制改正法案が衆議院で可決され、「基礎控除の特例」が創設されることとなりました。
当初の予算案が国会審議で修正されるのは29年ぶりという異例の事態であり、税制改正の施行日が令和7年12月1日となることで、税務上もイレギュラーな対応が求められるケースが想定されます。
目次(各項目に飛べます)
令和7年度税制改正をおさらい
令和7年度税制改正では、所得税関連の改正点として以下の3つが盛り込まれました。
- 基礎控除の引上げ(48万円→58万円)および「基礎控除の特例」の創設
- 給与所得控除の最低保証額引上げ(55万円→65万円)
- 特定親族特別控除の創設
これらの改正内容は令和7年分の所得税から適用されるものの、いずれも今年12月1日が施行日となる予定です。
11月30日以前の所得税計算は要注意!
施行日が12月1日となることで、11月30日以前に所得税計算を行う場合には、施行日後改めて税務手続きを行うことで、はじめて改正内容を反映できます。
たとえば、死亡または出国などにより、11月30日よりも前に年末調整手続きを行う場合や、令和7年分の準確定申告を行う場合が対象となるでしょう。
前者の場合には、年末調整時には改正前の現行制度に則って計算を行い、施行日後に改めて確定申告を行う方法が考えられます。
また、後者の場合には、施行日である12月1日から5年以内に「更正の請求」を行うことで、今回の改正内容を適用することが可能となります。

まとめ
令和7年度税制改正では、当初予算案の修正が行われたことで、12月1日が施行日となります。
施行日前に令和7年分の所得税計算を行う場合には、施行日後に改めて修正作業が必要となるため、慎重に対応しましょう。

弊事務所では1人1人のお客様に真摯に寄り添い、満足度の高い相続税申告やコンサルティングを実施しております。
相続税申告の見積りや初回相談は無料で行っております。
まずは、お問い合わせページからご連絡をお待ちしております。
福岡県春日市・那珂川市の税理士・公認会計士 河鍋 優寛でした。
この記事の執筆者

公認会計士・税理士
大学4年次に公認会計士試験合格後、大手監査法人と税理士法人を経て、河鍋公認会計士・税理士事務所を開業。
資産税(相続税・贈与税・譲渡所得)の実務経験もあることから、会計顧問から資産税までご相談いただけます。
専門分野は会計、税務顧問・IPO支援&相続・事業承継です。