2025.06.27

【2025年版】中小企業白書・小規模企業白書の概要

今回のコラムは「2025年版中小企業白書・小規模企業白書」についてです。

中小企業庁では、2025年版中小企業白書・小規模企業白書を取りまとめ、2025年4月25日に閣議決定し公表しました。

2025年版「小規模企業白書」全文 | 中小企業庁

2025年版中小企業白書・小規模企業白書の特色としては、円安・物価高の継続や「金利のある世界」の到来による生産・投資コスト増、構造的な人手不足など激変する環境において、中小企業・小規模事業者の経営者が、自らが置かれている状況と方向性を把握し、適切な対策を打つ力としての「経営力」に焦点を当て、事例を交えつつ分析を行っている点にあります。

2025年版中小企業白書の構成に沿ってその概要をみると、第1部では2024年度の中小企業の動向について、①中小企業の業況、②金利・為替・物価、③雇用環境、④労働生産性・設備投資・デジタル化・DX、⑤価格転嫁、⑥賃金・賃上げ、⑦倒産・休廃業・事業承継、⑧脱炭素化などの中小企業に求められる共通価値、⑨中小企業の具体的な取組事例の順にまとめています。

第2部では、「新たな時代に挑む中小企業の経営力と成長戦略」というタイトルで各章において分析を行っています。

第1章では、「中小企業の経営力」というテーマで、経営者・経営陣の「経営力」を、中小企業の成長や持続可能性の向上に寄与し得る能力と定義し、経営力の要素となる、①経営戦略、②経営の透明性・開放性、③ガバナンス体制、④人材戦略、⑤経営者の成長意欲といった項目ごとに分析を行っています。

第2章では、「スケールアップへの挑戦」というテーマで、積極的かつ継続的に賃上げや投資に取組むことができるような、一定企業規模への成長を実現するための、中小企業の経営戦略や投資行動等について分析を行っています。

では、2025年版小規模企業白書ではどのような内容が記載されているのでしょうか。

ここでは2025年版小規模企業白書の構成に沿ってその概要をみていきましょう。

第1部では2024年度の小規模事業者の動向について各種統計データ等に基づきまとめています。

第2部では、「経営力を高める小規模事業者の持続的発展と地域貢献」というタイトルで分析を行っています。

第1章では「持続的発展に向けた経営力の向上」というテーマで分析を行っています。

第1節「小規模事業者の経営力の向上」では、経営力向上に向けた取組みについて、「強みの伸長と販路の拡大」、「経営管理の強化」、「経営計画の策定と運用」に着目し分析を行っています。

第2節「地域の持続的発展と小規模事業者」では、小規模事業者が地域経済において担っている役割を改めて確認した上で、地域経済の持続的発展に向け、経営資源の引継ぎ、起業・創業、地域資源の活用、地域の社会課題解決の取組みについて分析を行っています。

第2章では、「支援機関の支援力強化」というテーマで、支援機関の活用状況や支援機関の現状と課題について概観した上で、各支援機関が認識する強み・不足している点等の特徴を整理するとともに、支援機関同士の有機的な連携や支援力向上の取組みについて分析を行っています。

小規模事業者では、事業規模・商圏が限られる中、差別化による独自の強みを創出することや、経営計画策定等を通じ経営者のリテラシーを高め、経営の振り返りと改善のサイクルを通じた「経営の自走化」を目指すことが重要となります。

そして、地域の社会課題解決事業を担うビジネスの推進も期待されているのです。

河鍋 優寛

弊事務所では1人1人のお客様に真摯に寄り添い、満足度の高い相続税申告やコンサルティングを実施しております。
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福岡県春日市・那珂川市の税理士・公認会計士 河鍋 優寛でした。

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