
人手不足や人件費の上昇が続くなか、限られた人員で生産性を高めるためには、省力化・自動化への投資が重要です。
「中小企業省力化投資補助金(一般型)」では、IoTやロボットなどを活用した設備導入・システム構築を支援しています。
そこで今回は、9月18日から申請受付が始まる第8回公募について解説します。
目次(各項目に飛べます)
中小企業省力化投資補助金(一般型)第8回とは
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足に悩む中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しする制度です。
IoTやロボットをはじめとしたデジタル技術等を活用し、個々の現場や事業内容に応じて設備導入・システム構築を行うための費用の一部が補助されます。
省力化によって付加価値や生産性を高め、従業員の賃上げにつなげていくことも制度の目的です。
制度の概要
(1)対象者
補助対象者は、次のとおりです。
- 中小企業者
- 小規模企業者、小規模事業者
- 特定事業者の一部
- 特定非営利活動法人
- 社会福祉法人
(2)補助対象
個々の現場や事業内容に合わせた設備導入やシステム構築などが対象です。
一般型では、オーダーメイド性のある多様な設備・システムを導入できるほか、ハードウェアとソフトウェアを自由に組み合わせ、事業全体の省力化を図る取り組みも支援されます。
補助対象経費には、機械装置・システム構築費のほか、一定の要件を満たす技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費なども含まれます。
(3)補助上限額
補助上限額は従業員数によって異なり、通常は次のように設定されています。
一定の要件を満たして「大幅賃上げ特例」が適用される場合、上限額が引き上げられ、101人以上の企業では最大1億円となります。
・5人以下:750万円(1,000万円)
・6~20人:1,500万円(2,000万円)
・21~50人:3,000万円(4,000万円)
・51~100人:5,000万円(6,500万円)
・101人以上:8,000万円(1億円)
※大幅賃上げ特例の適用時、()内の補助上限額に引き上げ
(4)補助率
・中小企業 1/2(2/3)
・小規模企業者、小規模事業者、再生事業者 2/3
※最低賃金引き上げ特例の適用時、()内の補助率に引き上げ
▼詳細は以下のリンクをご確認ください。
(中小企業省力化投資補助金ポータル)
https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/
申請の流れ
申請から補助金の受給までは複数の手続きが必要です。
全体の流れを把握し、早めに準備を進めましょう。
(1)GビズIDの取得
電子申請には「GビズIDプライムアカウント」が必要です。
取得には一定の期間を要するため、未取得の場合は早めに手続きを行いましょう。
(2)事業計画書の作成、機械装置・システム等の選定
自社が抱える人手不足の課題を整理し、省力化によってどのような成果を目指すのかを事業計画にまとめます。
同時に、導入する機械装置やシステムなどを選定します。
(3)応募申請
必要書類をそろえ、申請ポータルから電子申請を行います。
(4)相見積もり、事業者選定
採択後は、導入する設備等について相見積もりを取得し、発注先となる事業者を選定します。
(5)交付申請
見積書などの必要書類を準備して交付申請を行います。
採択された時点で、すぐに設備を発注できるわけではない点に注意が必要です。
(6)補助事業の実施
交付決定後、計画に沿って設備・システムの導入などを進めます。
(7)実績報告
補助事業が完了したら、実施内容や支払った経費などについて実績報告を行います。
(8)補助金の交付
実績報告の内容が確認され、補助金額が確定した後に補助金が交付されます。
(9)事業実施効果報告
補助金の交付を受けた後も、事業計画期間における省力化や生産性向上、賃上げなどの実施効果について報告が必要です。
まとめ
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、単なる設備更新ではなく、人手不足の解消や生産性向上につながる設備・システムへの投資を幅広く支援する制度です。
なお、本補助金は賃上げに関する要件が必須となっており、未達の場合は補助金の返還を求められることもあります。
設備投資の計画とあわせて、賃上げの見通しも確認しておきましょう。
申請にはGビズIDの取得や事業計画の策定など事前準備が必要なため、活用を検討している場合は早めに準備を進めましょう。
この記事の執筆者

公認会計士・税理士
大学4年次に公認会計士試験合格後、大手監査法人と税理士法人を経て、河鍋公認会計士・税理士事務所を開業。
資産税(相続税・贈与税・譲渡所得)の実務経験もあることから、会計顧問から資産税までご相談いただけます。
専門分野は会計、税務顧問・IPO支援&相続・事業承継です。