今回のコラムは「ECサイトにおける電子取引データの保存」についてです。
令和6年1月より事業者に電子取引データの保存が義務付けられましたが、緩和措置もあります。
目次(各項目に飛べます)
ECサイトで物品を購入した場合
ECサイトでの取引記録は電子取引データとして保存が求められます。
ECサイトの取引記録はダウンロードまたはPDFにて保存しますが、ECサイトで領収書等の取引データを随時確認できる場合は、必ずしもダウンロードして保存する必要はありません。
この場合、ECサイトで電子取引データの保存要件である「真実性の確保」と「検索機能の確保」の要件を満たす必要があります。
なお、「検索機能の確保」については、基準期間(取引の行われた年の前々年)の売上高が5,000万円以下の事業者、または電子取引の記録を書面で出力し、取引年月日その他の日付、取引金額、取引先ごとに整理して提示・提出できるようにしている事業者が、税務職員の求めに応じて当該取引データをダウンロードできるようにしている場合は、検索要件を満たしているものとして取り扱われます。
クレジットカードで購入した場合
ECサイトで購入した物品の支払をクレジットカードで行う場合、カード会社の利用明細も電子取引に該当し、電子取引データとしての保存が必要になります。
この場合も利用明細をカード会社のサイトで随時確認できればダウンロードは必要ありません。
インターネットバンクの利用記録で保存
ECサイトで購入した物品の支払代金をインターネットバンキングを利用して振込、またはクレジットカードで引落した場合もEDI取引として電子取引データとしての保存が必要になります。
この場合もオンライン上の通帳や入出金明細等で利用記録を確認できればダウンロードは必要ありません。
WEBサイトの保存期間に注意!
一方、税法上の領収書等の保存期間は、青色申告で原則7年、白色申告で5年ですが、これらの期間、WEBサイトで取引データが保存されないことがあります。
何年か前の注文履歴は見れなくなってしまうもんね。
この場合、WEB上のデータが確認できなくなる前にダウンロードまたはPDFで保存する必要がありますが、WEBサイトで確認できるようになった段階での随時保存も有用といえます。
電子インボイスの保存
ECサイトで購入した物品の領収書等は、適格請求書等(電子インボイス)となりますが、電子取引データの保存に準じた取扱いを行うことで仕入税額控除ができます。
弊事務所では1人1人のお客様に真摯に寄り添い、満足度の高い相続税申告やコンサルティングを実施しております。
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福岡県春日市・那珂川市の税理士・公認会計士 河鍋 優寛でした。
この記事の執筆者
公認会計士・税理士
大学4年次に公認会計士試験合格後、大手監査法人と税理士法人を経て、河鍋公認会計士・税理士事務所を開業。
資産税(相続税・贈与税・譲渡所得)の実務経験もあることから、会計顧問から資産税までご相談いただけます。
専門分野は会計、税務顧問・IPO支援&相続・事業承継です。