
今回のコラムは「令和5事務年度における関税等脱税事件の犯則調査」についてです。
財務省は、令和5事務年度(令和5年7月から令和6年6月までの1年間)における全国の税関が行った輸入品に対する関税および内国消費税に係る犯則事件の調査(犯則調査)の結果を公表しました。
それによりますと、関税等の脱税事件に対して全国の税関が行った犯則調査の結果、令和5事務年度に通告処分を行ったのは151件、告発が6件、合計件数は157件(前事務年度比7%減)となりました。
なお、脱税額は総額で3億9,560億円(同86%増)にのぼりました。
処分した事件のうち、金地金の密輸事件が102件(同18%減)と約6割を占め、その脱税額は総額で3億5,550万円(同約2.1倍)となりました。
金地金には、金塊に加えて一部加工された金製品も含まれます。
上記において、内国消費税とは輸入貨物に課される消費税、酒税、たばこ税等の間接税をいいます。
犯則調査とは犯則事件について、証拠を発見・収集し、犯則事実の有無及び犯則者を確定させるための手続きであり、告発又は通告処分を終局の目標として行う調査をいいます。
告発とは犯則調査の結果、その情状が懲役刑に相当するとき又は以下に示す通告処分を履行する資力がないとき等に、検察官に告発し、刑事手続に移行するものをいいます。
通告処分とは犯則調査の結果、その情状が罰金刑に相当するときに、税関長がその罰金に相当する金額の納付を求める行政処分で、犯則者がこれに応じないときは検察官に告発することになります。
告発事例として、金地金の脱税時事件において、犯則者Aらがタイから入国する際に、金地金約105kgを携帯品(プラスチックケース)に隠匿し、税関長の許可を受けることなく輸入しようとし、消費税等約8,080万円を不正に免れようとした事案(令和5年7月・東京税関)が挙がっております。
そのほか、犯則者Bらが韓国から入国する際に、金地金約30kgを活魚運搬車内に隠匿し、税関長の許可を受けることなく輸入しようとし、消費税等約2,896万円を不正に免れようとした事案(令和5年12月および令和6年1月・門司税関)が挙がっております。

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福岡県春日市・那珂川市の税理士・公認会計士 河鍋 優寛でした。
この記事の執筆者

公認会計士・税理士
大学4年次に公認会計士試験合格後、大手監査法人と税理士法人を経て、河鍋公認会計士・税理士事務所を開業。
資産税(相続税・贈与税・譲渡所得)の実務経験もあることから、会計顧問から資産税までご相談いただけます。
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