
今回のコラムは「セルフメディケーション税制」についてです。
目次(各項目に飛べます)
利用割合は0.6%
セルフメディケーション税制は、健康の保持増進および疾病の予防への一定の取組を行っている方が、自分や自分と生計を一にする親族のために特定一般用医療品等購入費を支払った場合に、その額の合計が12,000円を超える部分の金額(上限88,000円)を所得控除できるものです。
通常の医療費控除とは選択適用となっています。
国税庁の資料を見てみると、令和5年分申告の医療費控除の適用件数は約785.1万件、その内セルフメディケーション税制の適用は4.9万件で、医療費全体から見るとわずか0.6%に留まっています。
それほど難しくはない申告手続き
申告については「セルフメディケーション税制の明細書」に、薬局などの支払先の名前と医薬品名と支払った金額を記入して、「健康の保持増進及び疾病の予防への取組」欄に、どんな取組をしているかを記載します。
ちなみにこの取組は、インフルエンザの予防接種や会社の健康診断などでもOKです。

通常の医療費控除では「インフルエンザの予防接種や健康診断」は対象外だけど、セルフメディケーション税制ではOKなんだね!
購入したレシートや、健康への取組を行ったことを明らかにする書類については、提出の必要はなく、税務署からの照会対応のために5年間保管しておきます。
対象になる医薬品
対象となる医薬品は医療用から転用された医薬品です。
薬効の例としてはかぜ薬、胃腸薬、鼻炎用内服薬、水虫用薬、肩こり・腰痛・関節痛の貼付薬(いわゆるシップ)等が挙げられています。
また、令和4年以降、医療用から転用されたものでない医薬品についても一部が税制対象医薬品となりました。
試しに1年レシートを貯めてみては?
控除上限の低さからか、制度の認知度が低いのか、はたまた確定申告手続きが忌避されているのか、通常の医療費控除に比べると利用者が非常に少ない現状です。
ただ、せっかくの税金を減らすチャンスですから、医療費控除を申告するほど病院にかからないご家庭で市販薬をそれなりに購入されるという場合、試しに家族で1年間ドラッグストアのレシートを貯めてみて、金額がどのくらいかかっているのかチェックしてみてはいかがでしょうか。

大抵は医療費控除の方が得になりそうだけど、市販薬の方を買ってるなら考えてみても良いかも!

弊事務所では1人1人のお客様に真摯に寄り添い、満足度の高い相続税申告やコンサルティングを実施しております。
相続税申告の見積りや初回相談は無料で行っております。
まずは、お問い合わせページからご連絡をお待ちしております。
福岡県春日市・那珂川市の税理士・公認会計士 河鍋 優寛でした。
この記事の執筆者

公認会計士・税理士
大学4年次に公認会計士試験合格後、大手監査法人と税理士法人を経て、河鍋公認会計士・税理士事務所を開業。
資産税(相続税・贈与税・譲渡所得)の実務経験もあることから、会計顧問から資産税までご相談いただけます。
専門分野は会計、税務顧問・IPO支援&相続・事業承継です。