2024.11.19

【定額減税】税額ゼロの事業専従者等の定額減税

今回のコラムは「事業専従者に対する定額減税」についてです。

定額減税では納税者本人とその同一生計配偶者、扶養親族について所得税1人当たり3万円、個人住民税1人当たり1万円を納税者本人の所得税額、個人住民税所得割額から控除し、控除しきれない場合は1万円単位に切り上げて調整給付が行われます。

所得税、住民税所得割額ゼロの人にも給付

ところで、青色申告や白色申告の事業専従者や合計所得金額48万円超の人は、同一生計配偶者や扶養親族に該当しないため、納税者本人の定額減税の対象者になりません。

これらの人は自身の所得税額や個人住民税所得割額から減税額を控除することとなるのですが、所得がゼロ、又は所得が少なく、所得控除や税額控除による所得税額や個人住民税所得割額がない人の場合は、定額減税の適用を受けることができません。

しかし、これらの人にも一定の要件のもと原則4万円の調整給付(不足額給付)がされます。

内閣官房「新たな経済に向けた給付金・定額減税一体措置」の「よくあるご質問(2024年7月1日更新)」及び国税庁「定額減税特設サイト」のQ&A(予定納税・確定申告関係)【令和6年8月改訂版】には、これらの人も調整給付(不足額給付)の対象となることが掲載されています。

不足額給付を受けるための要件

事業専従者や合計所得金額48万円超の人が不足額給付を受けるためには、

  •  所得税および個人住民税所得割について定額減税前税額がゼロであること。
  •  低所得世帯向け給付(住民税非課税世帯への給付等)を受給していないこと。
  •  市区町村への申請手続き(必要書類の添付)

が必要となります。

申請手続きは市区町村に確認する

不足額給付の給付時期は令和6年分の所得税と定額減税の実績額が確定する令和7年以降になります。

具体的な給付時期や申請手続き、必要書類については、市区町村による今後の案内を確認する必要があります。

なお、申請を不要とする市区町村もあると案内されています。

まとめ

定額減税は政府の経済対策として賃金上昇が物価上昇に追い付いていない中で国民全体を視野に入れて税制と給付を組み合わせることで、様々な状況にきめ細かに対応することを目的として導入されました。

所得税や個人住民税所得割ゼロの事業専従者や合計所得金額48万円超の人にも支給することは制度の趣旨に適うといえます。

河鍋 優寛

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福岡県那珂川市・春日市の公認会計士・税理士 河鍋 優寛でした。

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