
今回のコラムは、最新の税務情報や税制改正項目のうち、経営者に重要なトピックについてご紹介します。
目次(各項目に飛べます)
令和8年分 路線価図等が公表
国税庁は例年どおり、「令和8年分 路線価図・評価倍率表」を7月1日に公表しました。
「路線価」は不動産の取引や相続税・贈与税の算定で欠かせない重要な指標ですが、全国約32万地点の平均は前年比で2.9%のプラスとなり、5年連続の上昇となっています。
中小企業の経営者にとって、不動産は自社株と合わせて資産の大部分を占めます。
このタイミングにご自身の資産の評価額を確認してはいかがでしょうか。
▼詳しくはこちらから
国税庁「令和8年分 路線価図・評価倍率表」
https://www.rosenka.nta.go.jp/
国税庁が自社株の節税スキームを問題視
7月2日、国税庁は「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」の第4回の資料を公表しました。
自社株評価について議論が行われていますが、今回の資料の中では、実際に行われている次の8つの節税スキームを国税庁が問題視していることが明らかとなりました。
<事例>
- 子会社の会社規模操作で株価圧縮
- 株主の作出で配当還元方式利用
- 会社規模操作で株価圧縮
- 親子間の循環貸付で株価圧縮
- オペレーティングリースで株価圧縮
- 株主構成の操作で配当還元方式利用
- 第三者を介在させて株価圧縮
- 貸付用不動産を利用して株価圧縮
租税回避(過度な節税)を目的としたスキームに国税庁は目を光らせており、
・抜本的な見直しをするのか
・ピンポイントで規制をかけるのか
今後の議論に注目したいところです。
▼詳しくはこちらから
【PDF】国税庁「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議(第4回)資料」
https://www.nta.go.jp/about/council/nai-hyoka/20260703/pdf/04shiryo_kabukaigi.pdf
国民会議が「中間とりまとめ」を公表
7月29日、社会保障国民会議は「中間とりまとめ」を公表しました。
【消費税減税(つなぎ部分)】
・令和9年度から2年間
・飲食料品の消費税率を1%に引下げ
・税率1%相当を原資に所得連動給付 ※15歳以下の子の数に応じて加算
【所得連動給付】
・令和11年度から本格導入
・中低所得の現役勤労者等の負担軽減
・18歳以下の子の数に応じて加算
・将来的には税額控除との組合せも検討
消費税減税については最後まで与野党で意見が一致せず、「中間取りまとめ」では野党の意見も併記されています。
これで今年2月から5か月に及ぶ議論にいったん区切りがつくこととなりました。
今後は消費税減税の方針について、8月上旬の閣議決定を目指していきます。
▼詳しくはこちらから
内閣官房「社会保障国民会議」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokuminkaigi/index.html
まとめ
今年は国民会議の「給付付き税額控除」と「消費税減税」の議論があったため、「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる「骨太の方針」は7月に閣議決定されました。
税については目新しい論点は特に記載がありませんでしたが、「租税特別措置や補助金等の点検・見直し」について記載があり、どこまで重点化・縮小廃止が行われるのか、秋以降の議論に注目したいところです。
今後のコラムでも税制改正の最新情報をお伝えします。
この記事の執筆者

公認会計士・税理士
大学4年次に公認会計士試験合格後、大手監査法人と税理士法人を経て、河鍋公認会計士・税理士事務所を開業。
資産税(相続税・贈与税・譲渡所得)の実務経験もあることから、会計顧問から資産税までご相談いただけます。
専門分野は会計、税務顧問・IPO支援&相続・事業承継です。