
今回のコラムは、最新の税務情報や税制改正項目のうち、経営者に重要なトピックについてご紹介します。
目次(各項目に飛べます)
「大胆な設備投資減税」の前提となる法律が公布
6月5日、令和8年度税制改正の「特定生産性向上設備等投資促進税制」、いわゆる「大胆な設備投資減税」の前提となる産業競争力強化法の改正法が公布されました。
中小企業も投資規模5億円以上の場合に即時償却または最大7%の税額控除が受けられます。
今後、詳細な手続きも含めて経済産業省のホームページで公表されると考えられます。
▼詳しくはこちらから
経産省「『経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案』が閣議決定されました」
https://www.meti.go.jp/press/2025/03/20260306003/20260306003.html
類似業種比準価額計算上の株価、1,2月分が公表
6月15日、国税庁から類似業種比準価額の計算で利用する令和8年1,2月分の株価が公表されました。
自社株評価をする際に重要な要素の一つです。
業種目の大分類で「令和7年平均(A)」を前年度(令和6年平均のA)と比較すると、全体的に上昇傾向が見られます。
【20%以上、上昇した業種】
・建設業:+33%
・運輸業、郵便業:+24%
・小売業:+22%
・金融業、保険業:+30%
・不動産業、物品賃貸業:+47%
・教育、学習支援業:+48%
【10%以上、下落した業種】
・医療、福祉:▲11%
・一定のサービス業:▲13%
日経平均株価も史上初の7万円台に到達し、今後も株価の上昇が見込まれます。
一方、国税庁では類似業種比準価額を含む自社株評価の見直しを現在、議論中です。
6月は日本商工会議所や日本税理士会連合会などにヒアリングを行いました。
まだ見直しの方向性は分かりませんが、7月以降の議論に注目したいところです。
▼詳しくはこちらから
国税庁「令和8年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価」
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hyoka/r08/2606/index.htm
国税庁「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」
https://www.nta.go.jp/about/council/kenkyu.htm#nai-hyoka
給付付き税額控除・消費税減税の「中間とりまとめ(案)」を提示
6月24日、社会保障国民会議の「給付付き税額控除等に関する実務者会議」は「中間とりまとめ(案)」を公表しました。
【飲食料品に係る消費税(案)】
令和9年4月1日:税率を1%に引下げ
※令和11年3月31日までの2年間(つなぎ)
【給付付き税額控除(案)】
(1) 令和9年度(つなぎ)
「所得に連動したきめ細かな給付※」を”先行”導入
・配偶者の所得勘案による例外措置なし
・子育て世帯への配慮(15歳以下)
※給付は「飲食料品に係る消費税1%相当分」で 飲食料品の消費税を「実質ゼロ化」する方針
(2) 令和11年度
「所得に連動したきめ細かな給付」を”本格”導入
・配偶者の所得勘案による例外措置あり
・子育て世帯への配慮(18歳以下)
一方、野党からは異論も出ており、どこで落としどころをつけるのか、引き続き注目したいところです。
▼詳しくはこちらから
内閣官房 社会保障国民会議「給付付き税額控除等に関する実務者会議(第16回)」
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokuminkaigi/contents/20260624/index.html
まとめ
例年6月は「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる「骨太の方針」で、過去にもNISAやiDeCoなど、その年の税制改正のテーマになる項目も記載されます。
今年は給付付き税額控除・消費税減税を夏前にとりまとめることから、その議論を待って7月に閣議決定されるようです。
最新情報は、次回お届けしたいと思います。
この記事の執筆者

公認会計士・税理士
大学4年次に公認会計士試験合格後、大手監査法人と税理士法人を経て、河鍋公認会計士・税理士事務所を開業。
資産税(相続税・贈与税・譲渡所得)の実務経験もあることから、会計顧問から資産税までご相談いただけます。
専門分野は会計、税務顧問・IPO支援&相続・事業承継です。